雨の季節に贈る手紙、どう書き始める?
6月といえば、空がどんよりと曇り、雨がしとしとと降り続く梅雨の季節。こんな時期に手紙を書こうとすると、「どんな風に書き始めたらよいのか」と悩んでしまうことはありませんか?
特にフォーマルな相手やビジネスシーンでは、適切な挨拶の選定が重要です。一方で、親しい人へのカジュアルな手紙でも、季節の雰囲気を取り入れた一言があるだけで、印象が格段にアップします。
この記事では、6月の自然や空気感を伝える挨拶文や、シーンに応じた書き出し例をまとめてご紹介します。
第一印象は「冒頭の言葉」で決まる
手紙において最初に目にする「書き出し」は、その手紙の雰囲気を大きく左右します。季節にふさわしい言葉や、読み手への配慮が表れていれば、それだけで心に残る一通になります。
逆に、無難すぎたり無機質な表現だと、手紙全体が淡白な印象になりがち。だからこそ、最初の一言には細心の心配りをしたいものです。
6月らしい時候の挨拶と応用表現
◆ 使いやすい定番の挨拶
ビジネスやかしこまった文書では、以下のような言い回しが定番です:
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梅雨の候
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長雨の候
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向暑の候
これらは「拝啓 梅雨の候、貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。」のように使用され、フォーマルな雰囲気を演出します。
◆ 柔らかい印象を与える言い換え例
格式をやや抑えた表現も、読み手に親しみやすさを伝えるのに効果的です。
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「雨が続くこの頃、いかがお過ごしでしょうか」
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「紫陽花が見頃を迎えましたね」
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「梅雨空の下、静かな時間が流れています」
◆ タイプ別・おすすめの書き出し表現一覧
トーン | 表現例 | 用途 |
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フォーマル | 拝啓 長雨の候、皆様におかれましてはご健勝のことと存じます。 | 目上・ビジネス関係者向け |
丁寧・穏やか | 雨の日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 | 親戚・取引先など |
カジュアル | 洗濯物が乾かなくて困っちゃうね。元気にしてる? | 友人・家族 |
ポジティブ | 梅雨空の中にも、心に晴れ間が差し込む日々を過ごしております。 | 季節感+前向きな印象に |
上旬・中旬・下旬で変える時候の表現
6月とひとくちに言っても、前半と後半では季節の印象が少しずつ異なります。より自然で心に響く手紙を書くために、時期に合った言葉を選びましょう。
時期 | 時候の挨拶 | 補足的な表現例 |
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6月上旬 | 初夏の候/小満の候 | 新緑がまぶしく、心も晴れやかになりますね |
6月中旬 | 入梅の候/梅雨の候 | 雨がしっとりと続く日々がやってまいりました |
6月下旬 | 長雨の候/向暑の候 | 蒸し暑さを感じる季節となりました |
書き出しの具体例文:シーン別まとめ
● かしこまった手紙に使える例
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拝啓 紫陽花の花が雨に映える季節となりましたが、皆様お変わりございませんか。
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拝啓 梅雨寒の折、くれぐれもご自愛くださいませ。
● 親しい相手へのカジュアルな例
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毎日じめじめしていて、ちょっと気分も下がりがちだけど元気かな?
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梅雨入りしてから、空がグレーな日ばかり。ちょっとでも晴れ間が恋しいね。
● ビジネス文書にふさわしい導入
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平素より格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。梅雨に入り、気温の変化も激しくなってまいりました。
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雨が多い季節となりましたが、変わらぬご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
雨にまつわる表現で手紙に深みを
◆「あいにくの雨」を好印象に変える工夫
「あいにくの雨」よりも、
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「雨に映える紫陽花がきれいですね」
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「雨音に耳を傾けながら、静かな午後を過ごしています」
といった自然描写を取り入れると、言葉がやさしく響きます。
◆ 季節の体調を気遣う一文を添えて
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「気温差の激しい時期ですので、ご自愛ください」
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「蒸し暑い日が続きますが、お元気でお過ごしください」
こうした一文を加えるだけで、相手への思いやりが伝わる手紙になります。
書き出しの表現を豊かにするコツ
● 五感を意識してみる
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視覚:「雨にけむる街並みが美しく感じられるこの頃」
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聴覚:「屋根を打つ雨音が静けさを際立たせます」
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嗅覚:「雨上がりの土の香りに、初夏の訪れを感じます」
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触覚:「肌にまとわりつくような湿気を感じる日々です」
感覚に訴えることで、記憶に残る印象的な文章になります。
まとめ:6月の手紙は、心を添えて書こう
梅雨の時期は、少し憂うつになりがち。でも、そんな季節だからこそ、心のこもった一通が相手の気持ちをほぐす力を持っています。
今回紹介したように、フォーマルでもカジュアルでも、「季節を感じる表現」と「相手を思いやる言葉」を組み合わせることで、より魅力的な書き出しが実現できます。
あなたらしい言葉で、6月の空気を運ぶ手紙を書いてみませんか?